心に残る味わいを目指して・・・

こんにちは!鈴木でございます。いつも使いにくい当店をご贔屓賜りましてありがとうございます。それと実は今週は、かなり遅めの夏休みを頂戴しておりまして、只でさえ少ない店頭での御予約販売日が、更に少なくなってしまい、ご迷惑をお掛けしております。
「おいおい、週に数日しか営業していないのにさらに休みかい?」と怒られてしまうかも知れませんが、当店の場合、実は、製造や御用意に時間のかかる“拘りの少量生産スタイル”の為、実際のところ、昨年12月から、ほとんど休みなく働いてきているのが実際のところなのです。
コロナ禍になりまして、販売のスタイルは変えざるを得ない状態となりましたが、それでも、ありがたい事に、お取り寄せ頂くお客さまは後を絶たず、3密を避けるための苦肉の策【完全ご予約販売】のスタイルになって、かなり御面倒をお願いしなくてはならなくなったにも関わらず、現在も、多くのお客様にご利用頂いておりまして、感謝の気持ちでいっぱいでおります。
本当に、ありがたいことです。今後も、死なない程度?に、意識してお休みを頂戴しつつ、出来る範囲で頑張らせて頂きますので、何卒よろしくお願い致します。
そんな当店を支えて下さる皆様に、一度はお試し頂きたいコーヒーが、今回の写真代わりに載せさせて頂いている『一瞬の永遠』と言うブレンドなのです。お味は、コク、香り、透明感共バランスよく、いわゆる鈴木作ブレンドの王道と呼べるタイプと思うのですが、このコーヒーは、私がコーヒーの味を追求するきっかけとなった時の味わいを思い出して創作させて頂いておりますので、いわゆる、私に取りまして特別な思い出のコーヒーにもなるのです。
そのコーヒーとの出会いは、今思えば運命かも知れませんが、その時は単なる偶然にしか思っておりませんでした。
24,5歳の頃に、小さな喫茶店もどきのお店を、僅かな元手で始めてしまった私は、その後すぐに胃を悪くしてしまい、お医者さまから、「酒・たばこ・珈琲はダメだからね」と言われてしまい、『喫茶店を始めたのにコーヒーが飲めないのかぁ…』と、落ちこんでおりました。その当時は、まだ自家焙煎コーヒーがあるという事すら良く知らず、大手業者さんが下ろしてくれる、いわゆる業務用のコーヒーを使ってお店をやっていたのです。
コーヒーを飲むことは出来なくても、お店はやらなくてはなりません。高校を出て、最初行った昼間の大学はすぐやめてしまい、プータロー的な生活を送っていた私ですが、昼は喫茶店、夜はパブ等でアルバイト生活していて、そのうち自分でお店をやる事を夢に見るようにもなっておりました。
只、家は飛び出してしまっていた私ですが、親の気持ちも考えて、『何とか大学ぐらいは出て置こうかな・・・』等と考え、授業料の安い、そして働きながらでも通える、夜間の大学にも行き始めておりましたので、結構忙しかったのですが、それでも、腕をつけるために、あちこちの、拘っているお店でアルバイトを続けておりました。なので、普通に考えれば、いくら安い金額で出来るとは言いましても、24,5歳では店を始めるには若すぎるのですが、当時は何の躊躇もなく始めてしまったのです。(若気の至りです・苦笑)
お陰様で、小さい店でしたが、土・日ともなれば、お手伝いの人がいなければ間に合わない位、いわゆる繁盛店になりました。人手は、地元でフラフラしている若い子たちや、前に自分がバイトしていた時の仲間たちにも手伝ってもらい、何とかしのいでおりましたが、そんなとある日曜日の事です。その日も、昔神田でアルバイトしていた頃に、一緒にアルバイトしていた後輩で、その時はもう普通の会社員になっていたのですが、休みの日を潰してまで、私の為に、店を手伝いに来てくれた人がおりました。
今思えば本当に申し訳ない事ですが、その頃の私は、色々な人に甘えていたのだと思います。店を閉め、ちょっと私の部屋で話でも…なんて言う事になって、自分の部屋に戻って、コーヒーでも入れようと思いましたが、何んと部屋にはコーヒー、紅茶、お茶等の飲み物が何にもありませんでした。
何かないかなぁ・・・と探したところ、小さなビニール袋に、ほんの10g位だけ入ったコーヒーを見つけました。『あれっ、これなんだっけ?』と思いだしたところ、胃を悪くしてコーヒーを飲んではいけないと思っていた頃(実際はそうではないのですがその頃はそう思っていたのです)、現在の家内が、まだ学生で自家焙煎の喫茶店でアルバイトをしていて、そのお店が、クリスマスの頃にお客さん達に配っていたサービスのコーヒーだったんです。
その頃、私が胃を悪くしてコーヒーが飲めないという話を聞いていて『こんなコーヒーも有るよ』と、貰っていたのですが、すっかり忘れていた物でした。
『まぁ、何にもないより良いか…』位の気持ちで、そのわずかなコーヒーを使い、何とか薄い2人分のコーヒーを淹れ、一口飲んだ途端に、誰かに後ろから頭を殴られたぐらいに強い衝撃が走りました、『あ、甘い…』そうなんです。薄く淹れたからと言うのも有るのでしょうが、そのコーヒーは、今まで私が飲んだことの無い、甘味を持つ自家焙煎コーヒーだったんです。
その一杯から、私のコーヒーに対する追求が始まりました。勉強するうちに、実はコーヒーが胃に悪いという事はなく、かえって漢方薬的な、胃薬のような使い方もされていたという事も知り、更に、追求するようになりました。(おかげでそれ以降私は胃を悪くしたことがありません)
そうなると、最後は自分で作ってみたくなるもので、当初の喫茶店をやりたい・・・から、自家焙煎の美味しいコーヒーを創れるようになりたい・・・に、夢も変わって行きました。
只、不器用で変わり者の鈴木のやる事です。そう簡単に、美味しいコーヒーが作れるようになるわけもなく、皆様も良くご存知の、商売自体がまるっきりうまく行かなくなって、死にはぐるという情けない状態にまで追い詰められてしまったのです。
でも、その絶体絶命の危機も、多くのお客様に支えられて、首の皮一枚繋がった私は、その後も味創りに没頭させて頂いて、現在に至っております。
・・・あまりに長々と、くだらない話をさせて頂きまして、失礼しました。でも、だから『一瞬の永遠』なのです。(オチまでに時間が掛かり過ぎですね・笑)
私は生ある限り美味しいコーヒーを追い求めたいと願っておりますが、その始まりは、サービスで配られた僅かなコーヒー、底が透けて見えるぐらい薄く淹れた一杯のコーヒーでした。
私の創るコーヒーが、勿論皆様の心に永遠に残るほどのものではないでしょうが、思いだけは常に持ち続けております。
相変わらず変わり者の鈴木の話に、長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました。心より感謝しております。それではまた…。(また話す気かい・苦笑Ⅱ)