暑い夏はやっぱり2千円なのです!?

2senen-1こんにちは!鈴木でございます。毎日お暑い中、使いにくい当店をご贔屓下さいまして、ありがとうございます。只今、お盆休み(8/15まで)を頂戴しておりますが、このホームページを通じてのご注文やお問い合わせは変わらずお受けしておりますので、遠慮なくご利用くださいませ。
写真は、かなりショボイ?財布で失礼しておりますが、中には千円札2枚と小銭が少々…、誰かの給料日前か?(苦笑)という感じですが、実は20年近く前になるでしょうか、店の全財産がこのぐらいの金額になるまで追い詰められて、恥ずかしながら‟死”を真剣に考えるような夏がありました。
今までも何回かお話させて頂く事はありましたし、当店の長年のお客様はご存知かもしれませんが、自分への戒めも込めて、たまにお話しさせて頂いております。宜しかったらお付き合いください。
当店は、おかげさまで、自家焙煎のコーヒークラブ・エムズカンパニーとしましては、昨年で25周年を迎えられましたが、その数年前から小さな喫茶店&パブのような店を営業しておりましたので、実際は、もう30年近く自分自身で店を営業していることになります。10代後半から、大学にも籍を置きつつ、実際は、都内の喫茶店やコーヒー専門店、更には、パブやレストラン等々で働いていた私は、当時フォーク歌手を目指していたのですが(みんな若い頃よくありますよね・笑)、いつしか喫茶店で働くほうのが楽しくなってしまって、御縁もあって小さな喫茶店を自分で始めることになりました。その店を数年経営するうちに、もっと立派な店も持ちたくなり、ちょうどバブルの時代でしたので、銀行はいくらでもお金を貸してくれましたから、大きな借金もして、柏市内でかなり立派な自家焙煎の喫茶店を始めたのです。『これからは豆売りの時代だ!』そんな風に思い始めたのは”先見の目を持つ”という事ではよかったのかもしれませんが、実際は、まだ腕もなく、いくら力を入れても珈琲豆は売れませんでした。実際カフェの方はかなり好評頂けて、いまだに当時のお客様達から『あの時のようなカフェをまた開いて』とよく言って頂くほどなのですが、不器用と言いますか、2つの事に力を入れられない性格なので、豆売りを目指すと思えば、もうそのことしか目に入らなくなってしまい、カフェ部門を縮小させて豆売りばかりの店に変わっていったのですが、いかんせん豆が売れません…、気が付けば、月の半ばごろだったでしょうか、写真のようにレジに入れるお金が2千円と小銭が少々だけになってしまいました。商売を始めたばかりでしたら、そんなこともあるでしょう。実際、私が最初に始めた店は、開店初日の全財産は9千円でした。(それもひどいが)ただ、それから10年近くたって、商売も長くやっていて、それにもかかわらず…の2千円なのです。その時の月末には数百万の払いが待っていましたし、勿論稼げる当てもありません。借金もできるところは全て回ってみましたが、もうどこでも私にお金を貸してくれるところはありませんでした。稼げる当てもなく、払える当てもなく、あとは破産して店を辞めることぐらいしか道は残されていませんでした。只、学生時代から店をやっていて、私の唯一の心のよりどころがお店でした。それ以外何のとりえもない私が、店を辞めて、何かしらの働き口を探して、借金を少しずつ返す為だけの人生になるのかと思うと、あまりに虚しくて…、勿論、家族を養うためにも、そうしなければいけなかったのでしょうが、店を辞めるという事が受け入れられなくて、その当時は、毎晩、朝が来るのが怖くて震えていました。その挙句が2千円と小銭が少々ですので、今年のような、暑い暑い夏だったと思います。衝動的に、レジを開けてその2千円を握り締めて、1キロぐらい先にあるホームセンターまで、首をくくる縄を買いに出ました。ちょうど午後の一番暑い時間帯だったことも手伝って、半分何を考えているのかわからない状態でしたので、頭はクラクラしますし、恥ずかしながら、涙は知らずに溢れて来てしまうし、半分夢遊病者のような妙な感じでした。只、不思議と考えることは、良かった時の事ばかりでした。『あの時は、あんなことをしてお客さんに喜んでもらえた。あの時は、あのお客さんたちのおかげで救われた…』等々、『不思議なもんだな、死のうと思う直前なのに、良かったことばかり思い出すもんだな』そう苦笑いしながら、もうすぐホームセンターにつく少し前に来て”ふっ”と頭にある思いがよぎりました。『そうだ、うまく行かなくなってから、自分の事ばかり考えていた!』そうなんです。当初は、自分の腕を振るい人様に喜んで頂く事が嬉しかったはずなのに、いつしか自分の利益だけを追い求めてしまっていたのです。何もかもやり尽くして、それでダメだからもう死のう…、そう思っていたのですが、実際はやっていないことがありました。『人様の為にコーヒーを作る』という事です。やり尽くしていない以上、ここで死ぬわけにはいかない、そう感じた私は、すんでのところで縄を買うのを辞めて、そのお金で、代わりにはがきを数十枚買って帰りました。そして、常連のお客様にセールのお知らせを書いたのです。確か『真夏の夢セール』的な題名だったと思います。通常、真夏にコーヒー豆はあまり売れません。ましてや、もともとたいして売れていないのですから、そんなハガキを数十枚出したからって売れるもんじゃあないのです。ところが…これは奇跡でしょうか、その葉書を手にしたお客様が皆、こぞって暑い中コーヒー豆を買いに来てくださいました。更には、新しいお客様たちまで増え続けて、気が付けば今までにない売り上げをあげられる毎日になっていったのです。信じられないことを数多く経験している私ですが、このことが一番信じられないことでした。勿論、私は運が良かったのかもしれません。でも、”自分の為”から”人様の為”に思いを変えた瞬間からですので、これって大事なことだと思うのです。
今年も暑い夏です。皆様も、どうぞお元気でお過ごしください。それと、もし今、辛い立場にいて『死』を身近に感じてしまうような方がいらっしゃったらこう伝えたいです。『わりあい、やり尽くしたようでもまだやれることは必ずありますし、それをやってからでも遅くない。ましてや、自分で命を絶たなくても、その時期が来れば必ず自然とそうなる。だから自分で命を絶つ必要はないんです。震えて、朝が来るのが怖い夜だったとしても、耐えている自分を褒めてあげて下さい。道は必ず見つかります。なければ自分で切り開くだけです。死ぬことを考えれば出来るはずです。今の自分に出来ることを頑張って、頑張って、やり続ければよいのです。それでよいのです、それでよい…だから生きましょう!』と。
暑い暑い夏のお休み、鈴木は感謝と戒めの気持ちを忘れないように、たまに2千円と小銭が少々しか入っていないお財布を見つめて、何だかわからないけれど、たまに涙して過ごしています。(人に見られたらかなり変ですが・苦笑)長々とお付き合いありがとうございました。ではまた…。